coffeebookの日記

好きなことを好きなように綴ってしまいます。つれづれなるまま。

「字幕」ってすごい!

 

洋画や海外ドラマなどを見ていて、「字幕って、なんかすごい!」とよく思う。

吹き替えで声優がしゃべっている言葉の量と、字幕で画面の下に出る文字の量が、全く違うからだ。

当然と言えば当然。ひとつの画面で読める文字の量には限りがある。どんどん移っていく会話に対応するには、だれでも読み終えられる最小限の文字量にしなくてはならない。しかも、その場面の空気や会話のニュアンスも伝えるのだから、適当には済ませられない難しさがあるはずだ。

 

サウンド・オブ・ミュージック」というミュージカル映画をご存知だろうか。もう50年以上前に制作されたものだが、内容の素晴らしさは全く色あせず、何度観ても温かい感動に包まれる。明るく活発な修道女マリアが、オーストリアの陸軍大佐の子供達7人の家庭教師となる。妻を失って愛情を忘れかけた大佐と、母を失った寂しさを抱える子供達。彼らの冷たく沈んだ心を、マリアの明るい愛情と音楽が力強く包み、再び家族の絆を結んでいく物語だ。

 

そのストーリーのみならず、音楽と歌声がまた秀逸だ。「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、少し前までJR東海のCMで使用されていたBGMもこの映画の中の音楽だ。また、大佐に恋をした自分自身が恐ろしくなり修道院へ逃げ帰ったマリアに、“Climb all the mountains…”と修道院長が歌うあの曲(題名はなんだろう?)、ほんとに鳥肌が立つほど素晴らしい!!

 

話はそれたが、この映画を最初にTVで観たのは中学生の頃、字幕版だった。そして、それをビデオに録画したのを何度もリピートで観たものだ。

そして、自分の子供にも見せたくてDVDを買った時に、初めて吹き替え版を観た。

意外なことに、字幕版の方が圧倒的に面白かったのだ。

 

ミュージカルのため、俳優や女優の声が歌の部分だけ吹き替えをされず、会話部分が全く違う日本人声優の声で吹き替えられている。かなりの違和感だ。

そして、吹き替えの台詞が…なんか思ってたのと違う!!

吹き替え版を作成した年代にもよるのかもしれないが、言い回しも言葉の選び方も、ちょっと「え、日本語訳して吹き替えちゃうとこんなかんじになっちゃうの?」というガッカリ感が拭えない。

 

どういうことだろう??といろいろ考えてみた。そして、気づいた。

字幕版の台詞は、必要最小限のことしか伝えていない。イントネーションも言い回しも何も伝えてこない。だから、その場面の空気を観る者に想像させることができるのだ。しかも、女優や俳優のオリジナルな声をそのまま聴きながらストーリーに入っていくことができる。

 

字幕のすごさは、「文字で最小限の情報を伝える」ことで、逆にその作品の空気や雰囲気を壊さずに観る者へ届けることができる、という点ではないか。

 

と、勝手に結論づけてみた。うん、満足。